Ⅰ・黄金の娘
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「カイっ!ミハって呼ぶの駄目!」 本当に僕の気持ちも知らないで―――と、海人は大きな溜め息をついた。 美春の少し上気して赤くなった頬を見つめながら、年の割に幼さが抜けない少女を心配した。 この国の春の訪れは、この村から始まる。正確には村の外れの谷間から吹く春一番から、冬から春へと変化していく。
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