日常

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「身体中が痛い……」 アレスタは腕や首を労るようにさすりながら医療キャンプから出て来た 「やっと出て来たわね」 外に出ると日陰の壁に寄りかかっていた女兵士がアレスタに声を掛けた 「あ……アスカさん! 待っててくれたんですか?」 アレスタにアスカと呼ばれた少女は頬を赤らめてそっぽを向く 「べ、別にあんたを待ってたわけじゃないわよ! ちょっと日陰で休んでただけなんだからね!!」 そう言って2.3本ある空のペットボトルを背中に隠して、アレスタには未開封のスポーツ飲料水のペットボトルを差し出した 「ありがとうございます! ちょうど喉が渇いてたんですよ~」 キラキラした笑顔でアスカに礼を言うと一気にスポーツ飲料水を飲み干した 「ぐ、偶然もってただけなんだからね……」 徐々に声を小さくしながら、アスカは更に頬を赤らめた アスカとアレスタは同じ教官の下で指導を受けた同士であり、その時仲良くなった ちなみにアスカはアレスタより先に指導を終えている 「そう言えばあんた。 今日初めてフリーバトルに行ったのよね? どうだったの?」 思い出したようにアスカがアレスタに聞く それを聞いてアレスタは暗い顔になった 「……最後まで残ってたんですけど……よく分からないうちにやられて…………私みんなに迷惑かけちゃいました…………」 みるみるうちにアレスタの瞳に涙が溜まっていく 「ま、まぁ初めてなら仕方ないわよ。ね?」 泣きそうになるアレスタの肩を叩きながら慰める 「アスカさん………」 潤んだ瞳でアスカを見上げる 「な………何?」 小動物みたいな仕草にドキッとしながら聞き返す 「つくづくあんたは良い人やー!!」 そう言ってアレスタはアスカに飛びついた 「ちょっ! あ、危ないってぇー!?」 飛びつかれた衝撃でバランスを崩したアスカは、飛びついたアレスタと共に地面に倒れ込んで アレスタは本日2度目となる医療キャンプへと運ばれるのだった
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