幸代幸人の場合 ケース1

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私立逢波学園―――元、私立逢波女学院。 由緒正しき……かどうかはさておき、読んで字の如く、元は女子高だった学校で、つい先日、少子化の煽りで共学になったという、まぁなんともアレな学校である。 そして――― 「ようこそ」 「えっ……?」 ここは、逢波学園理事長室。 厳格なインテリアに、威厳が漂う理事長―――はそこにはおらず、ユキトを待ち受けていたのは昨日の少女だった。 ただ違うのは、昨日はカットソーにスカートという格好だったが、今日はスーツを着込んでいる。 「え、ここ……って」 「いかにも。逢波学園理事長室じゃ」 「えっ?」 イマイチ理解が出来ないユキト。 少女は、理事長と書かれたプレートをユキトの方に向け、笑みを浮かべる。
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