幸代幸人の場合 ケース1

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「あの……!」 ユキトは思い切って言葉を紡ぐ。 「ん? なんじゃ? 歳のことだったら蹴り飛ばすぞ」 一瞬、ビクッとし、気を取り直して切り出す。 「その……なんで、僕を呼んだんですか……? 話、ってなんですか……?」 そう、ユキトは理事長に呼ばれていると言われ、ここに来たのだ。 寛二と共に職員室に挨拶をしに行ったのだが、先生に理事長室に行くようにと促されて。 「そうかそうか。そうじゃった、お主に教えねばならんことがあったんじゃった」 手をポンと叩き、頷く理事長。 ユキトはゴクリと生唾を飲む。
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