物語は突然に

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そして………ユキトは俗に言う、オタクであった。 ガガーン。 「これと、これと……あとこれとこれも」 ユキトは手慣れた手付きで望みの品を集める。 「お前そんなに買うのか?」 そしてまた、寛二も駆け出しのオタクであった。 寛二はユキトの趣味を唯一理解している人間であり、またユキトに影響された人間である。 だから、ユキトは寛二を信頼していた。 それはさておき。 「ありがとうございましたー」 心なしか、ツヤツヤと顔を輝かせたユキトがレジから外れ、携帯で何やら電話をしている寛二に歩み寄る。 と、寛二もちょうどよく電話を終えたようで、顔を向ける。
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