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急いで回収せねば。
そう思い、手を伸ばす。
◆◇◆
女性は困っていた。
それはもう、ウンウンとうなるほどに。
道行く人は物珍しそうに振り返るが、そんなのは関係ない。
「次は……八代高校か……」
女性は呟き、携帯を見つめる。と、ふと視界の隅に大きな袋を片手に、散らばった本を集める少年が映る。
本屋のマークがプリントされた袋からは、さらに本が覗いていた。
「ほう、本の虫というヤツか」
興味をそそられた女性は少年に歩み寄り、足元の本を拾いあげる。
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