序章

10/10
前へ
/52ページ
次へ
咲からだ。 織音はメールを確認する。 『やっぱみんなに届いてるって。こうなるともうシャレにならないよ。織音……どうしよ』 内心、織音はすごく不安になった。 そして返信の内容が浮かばないまま、織音は再び眠りについた。 麻耶と理菜はあの手紙について長時間にわたり電話している。 理菜が咲からの連絡で不安に思ったのか麻耶に電話をかけ、今まで電話している。 「麻耶ぁ……私どうしたらいいの?」 『さっきからずっとそればっかりね……明日になってみないと分からないでしょ?とりあえず今日は寝なさいよ』 すると理菜は涙混じりになる。 「怖いよ……」 『……あ!そうだ!』 不意に麻耶が声を張り上げたので、理菜は肩をびくつかせて小さく悲鳴をあげた。 「ど、どうしたの?」 『理菜は明日学校行かなきゃいいのよ。最初から学校に居なきゃ学校から出たってことにはならないし、何より鬼に追われない』 すると理菜は嬉しそうに声音を上げた。 「そっか!麻耶頭いいね!麻耶は学校休まないの?」 『私はいいわよ。最初から鬼姫なんて信じちゃいないし。じゃおやすみ』 「うん、おやすみ……」 そして理菜は笑顔で電話を切った。 全ての準備が整った。 明日、再び繰り返されるであろう悲劇。 それを想像するだけで胸が高鳴る。 さあ、始めましょう。 裏切り者探しを……
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加