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携帯のやかましいアラーム音で私は目が覚めた。
ふと手元に視線を移すと、そこには開かれたままの携帯がある。
いけない。昨日咲に返信しようと思ってたら寝ちゃったのか。
そして私は携帯を拾ってディスプレイを見る。すると、時刻が8時を過ぎていることに気がついた。
やばい!遅刻する!
私は大急ぎで制服を着用し、荷物をまとめ階段を降りる。
「あら織音、朝ごはんは?」
「要らない!」
ホントは欲しい。でも今回は遅れるわけにいかない。
昨日の手紙……ううん。あんなのイタズラ。イタズラだと思うけど……一応、念のため。
私は家を飛び出した。
案の定遅刻はしたが、私は鬼が送り込まれるかもしれない10時には間に合った。
「おはようっ!」
私はいつも通りに大きな声で挨拶しながら教室に入る。
しかし、いつもなら挨拶をしかえしてくれる皆が、今日は怯えたような目で私を凝視するだけだった。
「お、織音……」
麻耶が青ざめた表情でこちらに歩いてきた。
「ど、どうしたの?真っ青じゃん」
「……理菜が」
そこまで言うと、麻耶は泣き出した。
「理菜?理菜がどうしたの?」
「理菜が……行方不明って……」
行方……不明?
「え……な、なんで?どうして?」
「分かんない。でも……」
そこで麻耶は口を閉じた。
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