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「……いや……どうして……」
咲がよろめきながら私の肩にもたれかかった。
私はそれに気づかない程驚愕し、今見えている理菜が死んでるのもわからず立ち尽くしているだけだった。
そしてようやく現状を理解すると、悲しみより先に恐怖が私を支配する。
私はその場にへたりこんだ。自然と涙が溢れる。理菜が死んだ悲しみよりも、次自分がああなると考えた末の涙。
その涙を無視するかのように、体育館のスピーカーから機械音のような声がした。
『皆さん。こんにちは……鬼姫です』
その声に私達は一斉にステージを見る。すると、ステージには五人の黒スーツを来た体格の良い男性が横一列にビシッと並んでいた。
いや。男性かどうかは分からない。何故なら五人全員、それぞれ異なる面をかぶっているから。
一番左の黒スーツはおかめの面をかぶっており、その隣はひょっとこ、真ん中は獅子舞、その隣は狐、一番右は狸の面をかぶって居た。
『今ステージに立っているのが鬼です。紹介しましょう。左から阿亀、火男、獅子、寝狐、田貫です。皆さん仲良くしてくださいね?』
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