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「ええ勝手に行くわよ!じゃあね!」
亜理砂はそう言い捨てると階段を走って登っていってしまった。
大丈夫かな……今二階三階には亜理砂以外誰もいない。鬼達の標的になるのに……
「あっ。咲、そういえば麻耶は?」
すると咲は困ったような心配するような表情を浮かべ、おもむろに天井を指差した。
……え?
「……上。『理菜の仇をとるんだ』って言って、行っちゃった」
「!?」
そんな無茶な!
今上に行ってるひとは恐らく麻耶と亜理砂の二人のみでしょ……
鬼に見つかったらそこで終わる!
「なんで麻耶はそんな無茶を!?」
私は声を荒げて咲を問い詰めた。そのせいで周りでうなだれている生徒達の視線が集まる。
「……生徒に扮した鬼姫を殺さなければならないのなら、一階に居るわけにいかない、って」
一階に居るわけにいかない?
良く分からないという表情を浮かべていると、咲也子が階段を指差し言った。
「鬼姫が決めたルールは『私を殺せ』『鬼は一階には来ない』『一階に留まっていれば待っているのは爆死』……分かる?鬼姫は必然的に一階には居ないの。居てはならない。亜理砂はそう言ってた」
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