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そういうことか……
鬼姫が一階に居るのなら、そもそも鬼隠しのルールが成り立たない。鬼姫が一階に居るのにわざわざ危険を冒して二階三階に行く必要がない。
しかももし鬼姫が一階に居るのならば、この校舎を爆破できないはず。生徒がこんなにたくさんいるなかで、爆破に必要なアクションを起こすことは出来ないだろう。
鬼姫は、二階三階にいる生徒の誰かということになる。
「……その事に気づいて麻耶と亜理砂は?」
皐月が美里香の後ろから咲也子と咲に訊いた。
咲は少し宙を見つめて考えるような素振りを見せ、皐月に言った。
「麻耶は興奮してたせいもあるかもしれないけど、咲也子の話を聞いてると亜理砂は気づいてたみたいね。でしょ?」
そう言って、咲は咲也子のほうを向いて返事を促した。
「多分ね。……で、どうするの?みんな。一階に居る?それとも二人と鬼姫を探しにいく?」
咲也子は急にするどい目付きで私達に訊いてきた。こ、怖い……
「俺は行くぜ。あのふざけた野郎に灸据えてやんねぇとな」
美里香が拳をパンパンと手のひらに打ち付ける。
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