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美里香は不思議な人だなぁ。
美里香が何かしようとすると、それを共にしたくなる。美里香についていきたくなる。
だから、紅武者を引っ張っていけるのかもね。
私がそんなことを考えていると、皐月も一歩踏み出した。
「私もです。総長についていきます」
咲也子も、フッとため息を吐くと皐月に賛同した。
「私も行くわ。紅武者の実力者二人といれば安全だろうし、亜理砂を探しに行きたいし」
咲は……
「わ、私も行かなきゃいけない雰囲気?」
咲は臆病だからなあ……仕方ないか。
みんな勇気あるな……
私できれば行きたくなかったんだけど……麻耶が危険な場所にいるなら話は別。
友達をこれ以上失いたくないもの。理菜の二の舞にはさせない。
私は意を決すると、階段の一段目に静かに足を置いた。
階段の向こうには暗闇が広がっている。恐らく電気がついていないのだろう。私達が体育館に向かう時に先生が消したのかもしれない。
この闇のなかに、鬼姫が……
私はみんなのほうに振り返る。
「行こう。……鬼姫を倒しに」
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