開会式

17/17
前へ
/52ページ
次へ
美里香は不思議な人だなぁ。 美里香が何かしようとすると、それを共にしたくなる。美里香についていきたくなる。 だから、紅武者を引っ張っていけるのかもね。 私がそんなことを考えていると、皐月も一歩踏み出した。 「私もです。総長についていきます」 咲也子も、フッとため息を吐くと皐月に賛同した。 「私も行くわ。紅武者の実力者二人といれば安全だろうし、亜理砂を探しに行きたいし」 咲は…… 「わ、私も行かなきゃいけない雰囲気?」 咲は臆病だからなあ……仕方ないか。 みんな勇気あるな…… 私できれば行きたくなかったんだけど……麻耶が危険な場所にいるなら話は別。 友達をこれ以上失いたくないもの。理菜の二の舞にはさせない。 私は意を決すると、階段の一段目に静かに足を置いた。 階段の向こうには暗闇が広がっている。恐らく電気がついていないのだろう。私達が体育館に向かう時に先生が消したのかもしれない。 この闇のなかに、鬼姫が…… 私はみんなのほうに振り返る。 「行こう。……鬼姫を倒しに」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加