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「なんだ……これは」
私立山咲女子高等学校の校長である山久は手紙を見て驚愕した。
この手紙は数分前に学校に届いたもので、傍らにいる教頭の田島が顔を真っ青にして手渡してきたのだ。
「ど、どういうことかね、田島先生」
すると田島は顔をぶんぶんと横に振って答える。
「わ、私に聞かないでください。こんなの、イタズラのハズ……」
その田島の言葉を聞くと、山久は胸を撫で下ろした。
「そうか、イタズラだ。こんなのイタズラに決まってる。信じた私が馬鹿だった」
山久はフッと鼻で笑ってポケットからハンカチを取り出して冷や汗を拭った。
その様子を田島は不安そうな顔で見つめたあと、口を開く。
「し、しかし校長先生……もしこれが本当だったら、大変な事になりますよ」
田島がそう言うと、山久は大笑いして言う。
「そんなことあるわけないでしょう。鬼なんてこの世に居ると思いますか?ましてや鬼姫なんて」
「そりゃそうですが……」
「田島先生、安心してください。こんなの嘘っぱちです。デタラメです」
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