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「桜木さんと藤岡さんと矢島さんもこのフロアに居るんだね」
総長から今までの経緯を聞いた逢坂は心配そうな表情を見せる。
うん、イケメンだ。心配そうな表情がこれまたイケメンを際立たせる。ま、私のタイプじゃないけどね。
「僕の顔に何かついてるか?」
私が逢坂の顔をじっと見ていると、それに気づいた逢坂は疑問に思ったのか訊いてきた。こいつ……自覚してないのか?『僕の顔に何かついてるか』なんて言うやつ漫画でしかいないぞ。
「あんでもねぇよ。それよりお前なんでこんなとこいんだ」
赤面し話せないでいる総長の代わりに私が切り出した。
「君達が心配だからに決まってるだろう?それに、鬼なんて不埒な輩を校内に野放しにしておくのは駄目だからな」
「だからって……てめぇ一人で来ることなかったろ。鬼に見つかったら即アウトだぞ。さっき鬼と対峙したけど、鬼の身体能力は並じゃない」
そう。さっき私と総長、織音が鬼に追われた時に分かった。あの体格、あの足の速さ。恐らくそこらの不良とは訳がちがう。総長も一対一ならなんとかできそうだが、複数と対峙した場合私が参戦しても勝てる見込みは低い……
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