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「そんな目にあったのか……よし、ならばそういう時に備えて、こちらも用意をしなければな」
逢坂は不意に笑顔をつくると、二階から体育館のあるフロアへ通じる空中廊下の方向を指差した。
「あれは鬼の入ってきたルートだ。あそこから体育館フロアに行って体育倉庫に行こう」
私は逢坂の考えが分からず、首をかしげる。それを見て逢坂は微笑みながら言う。
「体育倉庫には金属バットとか竹刀とか武器になりそうなものがたくさんある。それに体育や部活で怪我した時のために救急セットも置いてあるんだ。備えあればうれいなし、丸腰で挑むわけにいかないよ」
なるほど……
確かに武器かなんかあれば色々と役立ちそうだな。中距離からキャンタマ狙えるし。
「……だな。総長行きましょう」
私がそう促した時には、もう総長は逢坂にスタスタついていっていた。
調子狂うな……
どれくらい走ったのかな。
私達は今体育館フロアにある図書室の中にいる。
ここなら隠れる場所もたくさんあるし、いざというとき非常口があるからそこから逃げることができる。
「あ……」
私は奥のほうにある窓から外を覗く。
そこには、学校を取り囲むようにひしめく鬼の姿があった。
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