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「ねぇみんなっ!ちょっと来て!」
私は皆に叫んだ。皆は窓の外の景色に呆気にとられ、息を飲んだ。
あれだけ鬼に包囲されてたら……
やっぱり校舎から出たら殺されるというのは、本当なのかも。
すると、外の遠くから聞き覚えのある音が響いた。
「パトカーのサイレンの音……誰かが通報したみたいね」
咲也子は外の景色を見たまま呟く。咲はそれ聞くと嬉しそうに跳び跳ねた。
「やった!助かるのね!?」
「そんな甘くいくわけがない」
咲の歓喜に咲也子は間髪入れず言った。焦りのような表情を浮かべている咲也子は、静かに言う。
「あの鬼姫がここの誰かが警察に通報するのを視野に入れていないとでも思ってたの?何かしら対策はしてるはず……非道なものでなければいいけど」
確かに……
鬼姫はきっと計算高く、頭がいい。じゃなきゃ、ここまで大掛かりな事はできない。事前に緻密な計画を練ることができる知能、そして大量の鬼を操り、あの寿司やステーキのような高級料理を用意することができる財力を持つ人物……
……高い知能をもつ人物。見当がつかない。
でも、財力……
もしかして……亜理砂!?
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