序章

5/10
前へ
/52ページ
次へ
織音はさらに声を低くして言った。 「人間は滅ぼしたけど憎しみが消えない鬼姫は、何世代も転生を繰り返し、人間の姿で人間に紛れる。そして鬼姫からの手紙を受け取った者達に明日は無い……って言う話」 織音が言い終えると、周りにいた生徒達は笑いながら「怖~い」や「ありえないでしょ」と言う。 「鬼姫がホントに現実に居たら、きっとめちゃくちゃ綺麗なんだろうねー」 倉内麻耶(くらうちまや)が机に腰かけ足をバタバタさせながら言った。 「もしかして……織音だったりして!?」 藤岡咲(ふじおかさき)がそう言うと、理菜はそれに賛同した。 「あり得る。織音以上の人なんてこの学校にいないもんねー」 からかうように言う理菜を見て織音は首をブンブンと振る。 「私が鬼って言いたいの!」 頬を膨らませ怒る織音を咲は諌める。 「冗談だって!織音が可愛いとことを言いたかったの!」 すると突然、麻耶が暗い声で言った。 「……でも、確かその話ホントって噂もあるよ」 「え?」 三人は一斉に麻耶に注目した。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加