序章

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すると、織音の携帯が着信音を響かせた。 「電話……?」 織音はバッグから携帯を取り出しディスプレイを確認する。すると、それは咲からだった。 織音は通話ボタンを押した。 「もしもし?咲?」 『もしもし織音?織音の家には鬼姫からの手紙来た?』 咲の口から出た意外な言葉に織音は驚愕する。 「えっ!?咲にも届いてるの?」 『私だけじゃない。理菜や麻耶にも届いてるって。どうなってるの?誰かのイタズラ?』 「分かんない。私も今手紙を確認したばっかだし……とりあえず、他のひとにも届いたか聞いてくれない?」 『分かった』 咲はそう言うと電話を切った。 自分の心臓の鼓動がどんどん早くなっていくのが、織音自身が感じた。 『鬼姫は人間を憎んでいる』 『鬼姫は人間に復讐をする』 『復讐』 自分が話した都市伝説のワードが次々と頭の中に浮かぶ。 そんな衝動に駆られ、織音は自分の部屋に鍵をかけ布団の中に潜り込み、そのまま眠りについた。 目が覚めたのは夜の八時。ずいぶん寝ていた。 織音はボーッとうとうとしていたが、携帯が視界に入ることで我に帰る。 そして、メールが来ていることに気づいた。
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