24人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、織音の携帯が着信音を響かせた。
「電話……?」
織音はバッグから携帯を取り出しディスプレイを確認する。すると、それは咲からだった。
織音は通話ボタンを押した。
「もしもし?咲?」
『もしもし織音?織音の家には鬼姫からの手紙来た?』
咲の口から出た意外な言葉に織音は驚愕する。
「えっ!?咲にも届いてるの?」
『私だけじゃない。理菜や麻耶にも届いてるって。どうなってるの?誰かのイタズラ?』
「分かんない。私も今手紙を確認したばっかだし……とりあえず、他のひとにも届いたか聞いてくれない?」
『分かった』
咲はそう言うと電話を切った。
自分の心臓の鼓動がどんどん早くなっていくのが、織音自身が感じた。
『鬼姫は人間を憎んでいる』
『鬼姫は人間に復讐をする』
『復讐』
自分が話した都市伝説のワードが次々と頭の中に浮かぶ。
そんな衝動に駆られ、織音は自分の部屋に鍵をかけ布団の中に潜り込み、そのまま眠りについた。
目が覚めたのは夜の八時。ずいぶん寝ていた。
織音はボーッとうとうとしていたが、携帯が視界に入ることで我に帰る。
そして、メールが来ていることに気づいた。
最初のコメントを投稿しよう!