序幕

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龍達が北島家を訪問してから1週間が過ぎた。 龍と由貴は午後の授業が終わった後、教室で何やら話し合っていた。 「佐藤、今日の帰りに北島の家に寄ってくれないか? ひょっとしたら警察が何か知らせに来てるかも知れない」 「わかったわ」 「たのむ。夜にでも連絡くれ」 夜、龍の携帯が鳴る。 由貴からだ。 「もしもし、どうだった」 「残念だけど、特に進展はなかったわ。 警察が一応メールの送信先を調べてるらしいけど、特定するのが難しいって」 「そうか…… まぁ、送信者が犯人だとしたら、簡単には特定できないように細工してるだろうな」 「ねぇ、これ本当に事件なのかしら? 舞が亡くなってから何も起きてないし」 「正直、俺もわからなくなってきた」 「情報が少なすぎるわね」 「とりあえず、これ以上、何も起こらない事を祈るよ。おやすみ」 「おやすみなさい」 龍は電話を切った。 「そういえば、もうすぐ修学旅行だったな……」 龍は呟いた。
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