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銃声が耳元で聞こえた。
一度。二度。三度。
うすれ行く意識の中で…あいつが…死んで行くのを感じてた。心拍数が上がる。
微かに重なる新しく生まれた心音。
あたしの閉じた瞳の上をトロリと流れるあいつの血が、変にあたたかく感じた。
そう、
あいつに抱かれた時の感触に似てる。
目が醒めたらとなりに奴がいた。あいつじゃない、違う。
奴はあたしの顔を見てニヤリと笑った。
短くなった煙草をくわえて。
「あいつは?」
「死んだ」
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