ヒロシマ・モナムール

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素っ気ない答え。 オープンカーは海沿いを走ってた。むせ返るような潮の匂いに吐き気がした。 あたしは前を向いたまま泣いた。 風が頬にあるかすり傷をザラリと舐めとった。 痛い。痛い。居たい ずっと一緒に居たかった。 『このヤマが終わったら』 白い歯を見せて屈託なく笑うあいつ。 いつか思い出にしか無くなる記憶。白いモヤに包まれ…。 消えそうになる。
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