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「させるかぁ!!」
蹴られて屋上の縁から離れていく右手。
しかし、セインは光の速度で咄嗟に左手を精一杯伸ばし緋乃の右足を掴んだ!
「なっ!?」
「ふっふふ、散歩なら一緒に行こうではないか!」
セインに引っ張られ緋乃も宙に放り出される。
「い、いやあああぁぁぁ!!」
「むおおおおぉぉぉ!!」
「セインさん!!」
泰陽の視界から消えてしまったセインと緋乃。
どうやら緋乃の動揺のせいか、幻は全て消えたらしい。
泰陽はすぐに屋上の縁へと走り、下を覗き込む。
不幸中の幸い!
セインと緋乃は遥か下の地上、ホテルに設備してある屋外の巨大なプールの水の中へと突っ込んだ!
「セインさーーーーん!!」
泰陽が叫ぶなか、水上に顔を出すセインと緋乃。
どうやら無事のようだ。
と、同時に空の向こうでヘリのプロペラ音が聞こえてきた。
「やべぇ!! セインさんがいないのにヘリが来た!」
「とにかく、みんなが来るまでここを死守するっスよ!」
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