3355人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぶはぁ!!」
「くっ!」
互いに水上に顔を出し、すぐさま床に登ったセインと緋乃。
二人ともびしょ濡れで、プールを挟んで立ち睨み合っている。
「セイン! この一連の流れは貴様の失態だぞ!」
「落ち着くのだ、オルガン。敵を屋上から退けるという任は達成したぞ? それに彼女は厄介な能力者だ。今ここで倒しておかねば後々面倒なことになる」
セインがそう言うと、緋乃も敵意剥き出しといった表情でセインをキッと睨む。
「く、私にこんな仕打ちを……しかも着物が台無しに……許しません! あなたは私が始末する!」
そう言った緋乃は扇子を構え、左右に緋乃の幻影を作り三人になる。
セインも笑みを浮かべると身構えた。
「ふふふ、向こうも一対一を望んでいるようだ。お手並み拝見といこうか」
セインは油断していた。
自分ならば攻撃能力の無い緋乃を大して苦労もせず倒せるだろうと。
しかし、緋乃も実力者。
それをセインは知ることになる!
激突するセインVS緋乃!
最初のコメントを投稿しよう!