◆ほんの一時の休息◆

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そして、姫の部屋……。 窓から差し込んでいる太陽の光が一部分だけを照らしている。 ヒメはそこ体育座りになり窓から外の景色を眺めていた。 「光があるから影は生まれる。逆に闇があるから光は輝いている……」 光が自分を照らし、それによってできる影を撫でるヒメ。 ヒメはポケットから小さな白い箱を取り出す。 プレゼント用に包装されているのか、赤いリボンで閉じられていた。 ヒメはリボンを解くと、ゆっくり箱を開けた。 「……ダーク、センスあるね」 ヒメは苦笑いしながら中身を取り出した。 ヒメの右手には天使の羽のようなアクセサリーが着いた髪を纏める髪ゴム。 「それは?」 「拒絶反応の後でさ、いつの間にかポケットに入ってたの。ダークからのプレゼントだよ、きっと」 「それは、それは……付けてみては?」 ミカエルにそう言われたヒメは頷き、纏めた髪を押さえながら既存のゴムを取る。 そして、ダークからのプレゼントである髪ゴムを使い髪を頭の左側に纏めサイドテールを作る。 その際、アクセサリーである天使の羽が一瞬キラリと光った。 「似合う? ミカエル」 「ええ、バッチリです」 「ありがと」 ヒメは照れながらそう言うと、勢いよく立ち上がった。 「よし! ぜーんぶ終わったら告白しちゃおうかな! イアスとの決着もあるし! 明日は絶対に負けられないね!」
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