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すると、フィスタは左手を煉の腹部にピタリと付けた。
「うっ!?」
と同時に煉の腹部に刀で斬りつけられたような傷ができる!
意味が全く分からない。
フィスタは刃物など持っていないのに、確かに煉は斬られた。
「私への攻撃を君への攻撃に変えたのだ……理解できないか?」
フィスタは煉を蹴り飛ばす!
蹴り飛ばされた煉は転がるように受け身を取り、なんとか体制を整えた。
刀と鞘を構えながら、ゆらりと構えるフィスタを睨む煉。
「錬金術というものを知っているかね? 物質を質量はそのままで別の物に変える技術だ。そんなものはこの世に存在しないが、私の能力はそれを強力にしたものだ」
「錬金……術」
「質量、形状などのあらゆるルールを無視し、私の手に触れた物を同系統の物に変換する能力……それこそ科学の頂点に位置する能力、属性具現。私にぴったりだと思わないかね?」
それがフィスタの能力!
生物以外の物をほぼ自由に変換する能力だ!
フィスタの個性が反映されたその属性は、かなり凶悪な力だ。
聞いただけではイマイチピンとこない能力だが、対峙すれば分かる。
つまり、あの両手はあらゆる属性を無効化してしまう。
更には反撃に利用させることもできる。
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