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「…………」
煉は斬られた腹部を鞘を持った左手で抑えながら刀を握りしめた。
そう、七人の隊長という強力な存在がいたダークナイトを相手に、セイバーナイトはずっと対峙してきた。
それは、フィスタとマイクの二枚看板が成り立っていたから!
セイバーナイトを統べるフィスタが弱い筈がないのだ。
「く、うあああぁぁぁ!!」
走り出す煉!
フィスタが煉を始末すると言ったからか、セイバーナイトは煉に手を出してこない。
ということは一対一で戦えるということだ。
煉はフィスタの首目掛け刀を振るが、フィスタはそれを右手の鎧で防ぐ。
そして、煉は足をすくうように蹴られ転倒してしまう。
「ぐっ!」
刀を持つ右腕を踏まれる煉。
じたばた動き足掻く煉をフィスタは睨みつけるように見下ろす。
「君のコンディションが最高だとしても私には届かないだろう。長年戦ってきた私と、たかが数ヶ月武器猫を扱った君……戦いの年季が違い過ぎるのだよ」
フィスタはしゃがむとその鎧に包まれた右腕を振り上げた。
その焦点は煉の顔面に向いている。
「手遅れだが一つ忠告してやろう……
我が儘で世界は救えない」
フィスタは拳を振り下ろす!
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