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ジリリと一歩右足を出し、身構える孝地。
相手はかなり幼い双子の少女。
しかし、その幼さに相応しくない物騒な物……つまりは拳銃を二人共所持している。
こちらは如意棒といえば聞こえはいいが、あくまで赤くて長い棒だ。
決して伸びることはない。
「…………」
「私達に逆らったこと……必ず後悔させてやる。行くよ、魅子慈!」
「うん! 《印弾(マーク・バレット)》!!」
妹の魅子慈が拳銃を乱射する!
「?」
孝地は咄嗟に全神経を敵の銃口に集中させたが、魅子慈はあからさまに当てる気などなく、適当に壁や地面、近くの車に撃ちまくっている。
そして、その銃弾が当たった場所には簡易に描かれた蝶のマーク。
「そういうことか!!」
敵の意図に気づいた孝地はすぐさま走り出し、魅子慈に接近する。
しかし、時すでに遅しとでも言いたげに亜華羽がニヤリと笑みを浮かべ拳銃を上空に向ける。
「《辿り弾(ワープ・バレット)》!!」
「う!?」
上空に放たれた閃光弾が破裂し、鋭い光が辺りを包む。
孝地は無意識に目を瞑るがそれが一番やってはいけないことだと分かっていた。
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