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「まさか……」
孝地は如意棒に写る自分のこめかみを見る。
先程銃弾がかすった為僅かに血が出ているが、それよりも重要視すべきはその傷を中心に蝶のマークが描かれていること。
「かすってもマークが付くのかよ」
そう呟きいつ目の前に現れてもいいように身構える。
つまり、亜華羽はこのこめかみに刻まれたマークを目印に辿って来たのだ。
「来る!」
濃霧のお陰で閃光が遮られ淡い光が孝地の目に飛び込んでくる。
その瞬間に今度は魅子慈が目の前に現れたが、孝地はすでに読んでいる!
「おらぁ!!」
「うわ!!」
魅子慈の服の襟を掴み地面に倒れさせる。
相手は小学生……乱暴な真似はできないが抑える程度ならば問題はない筈だ。
そう思い孝地は地面に倒した魅子慈の拳銃を持つ腕を抑え、如意棒を首に突きつける。
「一人捕まえた!! 殺されたくないなら大人しくもう一人も武器を捨てろ!」
「甘いよ、お兄さん」
魅子慈が空いていた左手をポケットに突っ込む!
そして取り出したのは丸めた紙屑!
それを孝地の背後に投げると、その紙屑が光り出し孝地の背後に亜華羽が現れる!
紙屑には予めマークを付けていたのだ!
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