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「おふぅ!?」
再び扇子で顔面を殴打され吹っ飛ばされたセイン。
今度は上手く受け身を取ると、すぐに立ち上がり身構える。
「くそ、訳分からん! 鉄骨は消えるし、美女が現れるし、ハッタリ女は鳥人で、美女は瞬間移動でもしたかのように消えた! まさか……あの美女もグルなのか!?」
「どう考えても全て幻だ、馬鹿者!!」
「な、なにィィィ!?」
オルガンにそう言われ驚くセイン。
本当に幻だと思っていなかったようだ。
「ふふふ……本物の馬鹿ですわね」
緋乃は広げた扇子で口元を隠し、不適な笑みを浮かべている。
「く! この我が見事に騙された……まさか貴様が幻であの美女が本体だったとは!!」
「逆だ、大馬鹿者!!」
「な、なに!? あ、いや…………まさかあの美女が幻で貴様が本体だったとは!!」
「遅いわ、大大馬鹿者!!!!」
慌てて言い直したセインの頬をオルガンが前足で叩く。
ようやく理解したセインは怒りで拳が震えていた。
「き、貴様ぁ!! 我の純真無垢な心を弄ぶとは、絶対に許さんぞ!!」
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