◆セインVS緋乃◆

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「ふふ……あっはははは!!」 「?」 突然笑い出す緋乃。 セインが首を傾げると緋乃はその妖艶とも言える瞳で見つめてきた。 「純真無垢……分かっていらっしゃるのですね。疑いを持たぬその心……誠に美しいではないですか」 緋乃はそう言うとたたんだ扇子でセインの後ろを指す。 セインは扇子の先を追うように振り向いた。 「な!?」 背後にいたのはヒメの首を左腕でしっかりと締め、扇子をヒメの首に突きつける緋乃の姿。 「ふふ……拘束させていただきました。あなたが動けば殺します」 そう言う緋乃。 しかし、ヒメは今の今までいなかった筈。 何故、突然現れそして捕まっているのか。 「それも……幻なのだろう?」 不安げにそう言うセイン。 頭では理解している。 ヒメは幻だと……しかし幻でなかったら自分が動けば殺されてしまう。 ヒメが幻かどうか、それを確かめる術をセインは知らない。 「本当に幻だと思いますか?」 ニヤリと笑みを浮かべる緋乃。
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