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「幻だ、幻に決まっている」
「だがオルガン……彼女が幻だという証拠がない……」
「だが、あの娘が本物だという証拠もない」
オルガンの言葉が更にセインを迷わせる。
「た、助けて……セインさん……」
涙を見せながらそう訴えるヒメ。
「もう我慢出来ん!!」
セインが一歩踏み出す!
と、同時に緋乃は容赦なくヒメの首を折った!
「うっ……」
「んな!?」
力無く倒れるヒメ。
余りにもリアルで、幻だとは微塵も思えない光景。
しかし、次の瞬間ヒメは幻だったかのように消えた。
「ま、幻……」
「言ったでしょう?」
「う!?」
扇子で顔面を叩かれよろけたセインを緋乃は蹴り飛ばす。
身体が強化されたその蹴りはセインに相応のダメージを与えぶっ飛ばした。
フェンスに激突し力無く座り込むセイン。
よく見ると肩が震えている。
「貴様……完全に我を怒らせたなぁ!!」
セインはマグマのように煮えたぎった怒りの表情で緋乃を睨む。
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