◆セインVS緋乃◆

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それはジャムザルと呼ばれる刃物。 非常に変わった形式をしており、2本の支柱が沿うようにして伸び、グリップはその支柱に渡された1本の横棒となる。 つまり握りが剣身に対して直角にあり、使用する際には拳を突き出すようにしたり、上下に振るようにする武器だ。 松葉杖の脇を乗せる部分を取っ払い、先っぽの足となる部分が刃物になったと言えば分かりやすいだろうか。 セインはそんな武器を眺め呆然としている。 しかし、次の瞬間それは起きた。 「う……う……う……美しいィィィィィィィィィ!!!!」 セインはそう叫ぶとその金色に光る(セインが無意識に光らせているだけ)ジャムザルを天にかざす。 「見よ!! これが神より賜りし《スーパーゴッド・ジャッジメント・ファイナルカリバー》であーーーーる!!!!」 「違う、ジャムザル!!」 オルガンのツッコミを無視し、セインは更に暴走する。 「フハハハハハ!! これは神に選ばれた者しか持つことを許されない聖剣であり、かの英雄パラチョッチョ・マントヒーヒがこの剣を手に世界を創造したと言われるいわば最強の剣なのだァァァ!! どうだ素晴らしいだろう!? 美しいだろう!? 神々しいだろう!? 舐め回したいだろう!? もう一度とくと耳に刻むがよい、この剣の(スーパーゴッド……)ん? スーパーゴッド……超神!? 神を超える!? つまりそんな剣を手にした我は神を超越した!? フゥーハハハハハハ!! 我は神を超えた存在と化したのだァァァ!! つまりセカンド神!! 神Ⅱ!! いや、神MkーⅡへと進化したのだァァァ!! つまり全世界の人間は我の下僕であり、森羅万象全ては我の思いどぉぉぉり!! さぁ、ひれ伏せぃ!! 命乞いをしろ!! 土下座をしろ!! キャー、セイン様ァァァ!! とちやほやするがいい!! 更には我が買う物は全て99%OFFにし、公共施設は全て貸し切ーーり!! 我が道路を歩けば人は土下座して道を開き、我が海を泳げば海も左右に道を開き、我が空を飛べば雲も道を開くのだァァァ!! つまり天上天下唯我独尊!! 明日は我だけの風が吹く!! そして我の偉大な黄金の巨像を建設し、その像に一時間祈るのを1日24セットで毎日365日行うがよい!! さすれば我が必ず死後天国へといざなってやろうぉぉぉ!! フゥーハハハ!! ハーッハハハ!! いや笑い方が神らしくないな!! カーミカミカミカミカミ!! ゴーーーーッドゴッドゴッドゴッドゴッドゴッド!!」
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