◆ほんの一時の休息◆

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「ほとんど知ってるみたいだね。でもね、煉君の両親は煉君を守る為に神の猫を煉君に授けたんだよ」 「そのおかげで僕は巻き込まれた、それに神の猫が僕の中にいると言っても出てこないじゃないか」 「それは私が煉君の心に鍵を掛けたからだよ」 「!?」 煉は驚きの余り返事の言葉が出ない。 しかし、美奈はそんな煉に構わず夜景を見ながら話しだす。 「それで解決する筈だった。私が考える黒幕は裁きの猫を欲していたから。でも、彼は諦めなかった。彼は煉君をこの戦いに巻き込みそして、煉君が数々の絶望を味わうように暗躍した」 「絶望?」 「そう絶望……私が死んで、武器猫に巻き込まれ、ダークナイトの計画を目の当たりにし、海外に逃げたらセイバーナイトの実態を知り、武器猫の真実を知り、恩人を失う……全て煉君の両親の養子が仕組んだこと」 しかし、煉は華月から聞いていた。 養子は事故で他界したということを。 煉がそれを言おうとすると、美奈が遮るように話し出す。 「事故はカモフラージュ。神の猫が宿っている煉君、ルイちゃん、そして彼を隠す為の。だけど彼は煉君やルイちゃんと同じように自分は捨てられたと思い込んだ。煉君はそれで感情を閉ざし、ルイちゃんは家族に会おうと前向きになったのに対し、彼は……激怒した」
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