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「その気泡が破裂した時の強力な衝撃音が、あの骨が鳴るという現象です」
緋乃はそう言うとどんどん指の骨を鳴らしていく。
「気泡が破裂した時の衝撃は骨や軟骨を破壊し、強化されて修復される。だから太くなるんですわ。首や腰を鳴らしてしまうといずれ肥大化した骨が神経を圧迫し取り返しのつかないことになるのです……私の能力はそこに真価を発揮する」
「そういう……ことか……」
緋乃の属性はその人体の中の気泡まで操るのだろう。
その気泡を更に能力で強力し、破裂させその衝撃で神経を攻撃する……それが唯一の攻撃能力!
「屈強な肉体を持ってしても、神経に攻撃すればそんなものは無意味。これが私の能力ですわ」
広げた扇子で口元を隠し不適に笑う緋乃。
やはり強い……油断していた。
この緋乃という女性、ダークナイトにいれば間違いなく隊長と呼ばれていても不思議ではない。
仏の座隊だったセインをここまで追い詰めているのだから。
「次は腕を貰いましょうか」
「くっ!」
まだ痛みで動けないオルガン。
そんなオルガンに容赦なく近付く緋乃。
「くそ!」
ジャムザルを振るが扇子で防がれ、そのジャムザルを持つ右腕を緋乃は掴んできた。
「では……《気泡火憐(キホウカレン)》」
「がっ!! っっっあぁぁぁ!!」
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