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諦めていた。
ダークナイトを抜けたのは今のリーダーの世界の救い方に疑問を持ったから。
同じ疑問を持った宝時と茜も脱退し、セインも便乗するように脱退した。
どうにかして武器猫に対する価値観を変えたい。
しかし、セイバーナイトもダークナイトも聞く耳を持たず、倒せる程の力もない。
だから祈った。
ひたすら祈った。
宗教を作り信者を増やし武器猫に対する価値観を変える為に祈り続けた。
「我は思う。あの少年には人を導く力がある。だから宝時と茜も、そして我も、恐らくは少年の友達達も……自然と味方してしまうのだ。彼の為に何かしたいと思ってしまうのだ。属性とは別の……いや、それが彼の個性か」
ひたすら祈っていたら同じ志を持つ彼……斎藤 煉に出会った。
武器猫と本気で喧嘩する程仲が良い者などあまりいない。
直感で少年は何か我にはないものを持っていると感じた。
だからこそ我は力を貸した。
そして彼は決意した……世界を変えると。
「ありがとう、神よ、彼に巡り会わせてくれたことを。ありがとう、神よ、我の背中を押してくれたことを。ありがとう、神よ……未来を授けて下さったことを」
セインは目を開くと緋乃を見据える。
その表情はとても穏やかだが、同時に闘志も感じられた。
「未来を変えるチャンスは無いと諦めて我は祈ってばかりいた。しかし、チャンスは現れた! 人を導く彼なら世界を救いへと導く! 我はそう信じる! 運命を決めるのは神ではない……運命を決めるのは他ならぬ斎藤 煉なのだ!!」
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