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「…………」
緋乃はまた馬鹿になったかとでも言わんばかりに怪訝な表情でセインを見ている。
「だからこそ、彼が諦めない限り我も諦めない……もう二度とな!」
「諦めないのは結構……しかし運命は抗えない。それを証明させてあげましょう」
緋乃はセインを見据え扇子を構えている。
セインは左足と右腕がほぼ動かせない。
光速で移動したらまた激痛に襲われる。
「ど、どうするんだ、セイン」
「戦闘から離れて祈ってばかりいたからな。忘れていたよ。我は最強だということを」
「おい! まだ馬鹿が抜けて……」
オルガンの口をセインは左手で塞ぐ。
そして、真剣な表情でその左手を今度は天にかざした。
「ふふ……また幻影で翻弄させてあげますわ」
そう言って緋乃が走り出そうとした時だ。
セインは今までに見たこともない殺気に満ちた表情で緋乃を睨んだ。
「な、この私が……」
その強大なる威圧感と、圧倒的存在感が緋乃を留まらせる。
「我の本気を……最強の力を証明しよう……
《モード・神の閃光(ゴッド・フラッシュ)》」
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