◆セインVS緋乃◆

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「ぐ…………」 セインはゆっくりと大の字で倒れた。 まだ左足と右腕には激痛が走っている。 「オルガン、頼む」 「了解した」 オルガンはセインのローブの懐からナイフを取り出しくわえる。 そして、緋乃の元へと走り出した。 武器猫の魂を無くしに行かせたのだろう。 「この我がここで脱落とは……」 卯化の使用で体は疲労感でいっぱい、更には足と腕が不自由でとても戦力になれそうにはない。 少し経つとオルガンが帰ってきた。 「もう心配はない、俺達の勝ちだ」 「うむ、ご苦労」 セインがそう言うとオルガンは心配そうな表情になる。 怪我をさせたことに負い目を感じているのだ。 「本当に済まない」 「なに、このぐらいどうってことはない」 「しかし、この状態では少年達に加勢できない。もっと俺が……」 「フハハハハ!!」 突然セインが笑い出しオルガンは驚く。 「いらぬ心配だ。彼らは我がいなくても大丈夫。斎藤 煉はきっと世界を救いに導く。もし、彼らだけで越えられないような壁ができても、彼に導かれた者が必ず協力してくれる。そういう存在なのだよ……少年はな」 セインは笑顔でそう言うと、空を見つめながら目をつぶり神に祈りを捧げる。 煉にご加護があるように……と。
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