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「激怒した……」
煉がそう呟くと、美奈は強調するかのように頷く。
「煉君、ルイちゃん、イアスの記憶を見た私なりの推測だけどね。彼は煉君や煉君の両親に深い憎しみを持ってる。だから、今までダークナイトとセイバーナイトの影に潜み力を蓄えていた筈。煉君に確実に絶望を味あわせる為に……」
「…………」
煉はもう察した。
黒幕は煉に深い憎しみを抱いてる人物。
つまり、煉に感情の表し方を教えた櫻井 亮太……今は《斎藤 煉》と名乗る者。
「僕を追い込んで感情を引き出そうとしたのは……」
「心に揺さぶりをかけ裁きの猫を引き出す為。私が一手早かったから一時は凌いだけど……」
美奈はそこで話を一旦区切り俯く。
そして、心配そうな表情を煉に向け口を開いた。
「ダークナイトの計画は最終段階に入ったんだよね? なら彼も動き出す。全てを終わらせる為に……でも今の煉君じゃ絶対に勝てない」
「大丈夫。僕にはみんながいる」
煉は力強くそう言った。
しかし、それを否定するように美奈は首を横に振る。
「煉君にあの絶望は耐えられない」
「あの絶望?」
「うん。今教えたら煉君は戦えなくなる。でも確実にやってくるあの絶望……それを超える為には……」
美奈は煉の胸を指差す。
「裁きの猫が必要なの」
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