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このホールに響いた女性の声。
誰もがその言葉を理解できなかったが、一人だけ他とは違う反応を見せた者がいた。
「…………!」
最初は理解できなかったが、その言葉がまるで全身に溶け込んでいくように染み渡り、煉の脳を揺さぶる。
そして、徐々に理解してきた。
すると、こんな状況にも関わらず煉の表情には僅かな笑みが生まれていた。
暗闇の中で唯一見つけた光を見るように、煉の表情には希望が満たされていく。
そして、叫んだ
その答えを!
「困ってる奴がいたら全力で助ける!!」
「?」
煉の突然の叫びにフィスタが驚いた刹那。
「ぐお!?」
フィスタが何者かに跳び蹴りをくらい吹っ飛ばされた。
上半身を起こす煉の目の前に、フィスタを蹴り飛ばした人物が着地する。
頭頂に結んだアホ毛があり赤いパーカーにショートパンツ姿で、背中には里奈の属性を真似た朱い炎の翼。
見た目は中学生に見えるその女性は満面の笑みを浮かべながら振り返った。
「柳田 茜、華麗に参上! っていつか言ってみたかったんだよね」
「茜さん!」
現れたのは宝時の相棒、茜だ!
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