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茜の言葉を聞いた瞬間、煉達とアミルダは驚いたような表情になる。
そして破壊できないならこの戦いは全く無意味だということを気づかされた。
しかし、茜はパーカーのポケットから一枚の青いフロッピーディスクを取り出した。
「時ちゃんが煉ちゃんを任されたように、あたしもこれを任されてたの」
「そ、それは?」
「ここの機械を片っ端から駄目にするウィルスソフト。あたしが煉ちゃんの両親率いるダークナイトに入ってたのはこれの完成を手伝う為」
「ウィルスは効くんですか?」
「機械に関しては天才と言われてる木村 勇治さんがね、メンテナンスと称してここの機械を調べてたの」
茜の言葉に驚いたのは里奈とアミルダだった。
何故なら里奈にとってはいきなり父親の名前が出たからで、アミルダは聞いたことのある名前だったからだ。
「お、お父さんが!?」
「あ、お父さんなの? まぁ、その勇次さんによればかなりセキュリティーが厳重だけど内部からなら破壊できるらしいから、あたしと勇次さんで協力してようやくできたのがこれってわけ。そんでもって今日突撃した訳なんだ」
「今日を選んだのは……?」
煉がそう言うと、茜はセイバーナイト達を見回して鼻で笑う。
「セイバーナイトが弱体化するのを待ってたんだよ。部隊長が二人減ってるしね。それに、自由を謳歌するあたし達が支配がどうのこうの言ってる厨二病の馬鹿共をいつまでもほっとく訳がないじゃん?」
そう言ってニカッと笑う茜。
本当に頼もしい笑顔だと煉は心の底から思った。
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