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煉は茜の目をしっかりと見て、伝えるべき意志を全て伝えた。
茜はため息を吐くと、呆れたような表情になる。
「分かった。なら行っておいで」
「え? いや僕達は?」
「ここはあたし達フリーナイトだけで大丈夫。だから煉ちゃん達は今すぐに本拠地に向かいなよ」
「そんな! 茜さん達を置いて……」
「ていうかぁ……」
煉が言葉を続けようとすると、茜が煉の肩に左手を置いた。
すると、上目遣い……いや確かに上目遣いだが、可愛さとは真逆の尋常ではない程の殺気を込めた目で煉は睨まれ、右手で胸ぐらを掴まれ茜に引っ張られる。
「こいつらはあたしがやんの。手ェ出すな」
その有無を言わさぬ圧倒的威圧感がアミルダとルイを除き煉達を怯ませる。
《隔》で隔離された空間を作っているスキンヘッドの男性もびくりと肩を震わしていた。
これが、ダークナイト最強と言われた者の存在感なのだ。
しかも、あたし達ではなく"あたし"と言い切っているところがさらに威圧感を強調している。
「効率を考えなよ。煉ちゃん達がここでモタモタして体力減らすより、あたしがセイバーナイトを、煉ちゃん達がダークナイトをやった方が、時間も体力も全てにおいて効率がいい。お分かり?」
そう言われても煉は踏み切れずにいた。
もし、茜の身に何かあったらそれこそ煉は後悔してしまう。
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