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「く、来るならこい!!」
スキンヘッドの男性が足を震わせながらも構えた。
それも当たり前……強者二人を左右に投げたマイクは笑みを浮かべたまま走ってきたからだ!
「解いて!」
「!?……は、はい!」
茜の指示により男性は隔離された空間を解除する。
「みんな行くよ!」
茜とは反対方向に走り出す煉。
煉が決意したならと、里奈やヒメ、そしてルイも煉の後を追う。
目指すは屋上へと向かう階段、そしてダークナイトの本拠地!
「逃がしてたまるかぁ!!!!」
「!?」
フィスタは先ほどの爆発で破壊された壁の小さな破片を、片手で握れる限り拾う。
そして、それを階段へ向かう煉達に全力投球した。
物体の速さを変えたその幾つもの破片は、散弾銃の如く迫る。
「彼らの邪魔はさせません」
しかし、アミルダが身の丈程の大剣でフィスタの攻撃を防いだ。
「アミルダ!」
ルイに続き煉達は立ち止まる。
「私も残ります。秘書としてこき使われた鬱憤を晴らしたいので。だから行って下さい」
「……ルイ、行くよ!」
悲しそうな表情をするルイを煉は手を引き連れ出す。
元々アミルダは残る気でいた、それに別れの言葉ならもう済ませてある。
煉はアミルダと茜の背中に目をやる。
そして、叫んだ。
「必ず終わらせます!! だからどうか無事で!!」
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