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「ああ、参加しないぜ? 俺奇襲してないだろ? 俺は単独で動いてるからな。ところで他の連中は?」
孝地の問いに、里奈は人差し指を上に向けて無言で答える。
つまり、孝地が手配したヘリに向かったということだろう。
そして、気絶したジルに壊されている階段、孝地は大方状況が飲み込めたのか、小さく成る程と呟く。
「なら、お前にこれを渡しておく」
孝地はそう言ってポケットから何かを取り出し里奈に手渡す。
「?」
里奈は渡された物をよく見てみる。
右手には四つ折りされた小さな紙があった。
里奈はその四つ折りされた紙を開くと首を傾げる。
「これって……」
「悪いな。それが俺にできる精一杯の援護射撃だ。きっとその紙はお前らを救ってくれる。だから絶対に手放さないでくれ」
「これがあたし達を……」
里奈はもう一度右手にある紙に視線を落とす。
「本当にあたしが持ってていいの? 煉に渡した方がいいんじゃない?」
「誰が持ってても一緒だ。絶対に捨てなきゃな」
「……分かった」
里奈はそう言うと、再び折りたたみしっかりとポケットにしまう。
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