3355人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、俺はまだやることがあるから……」
そう言って階段を降り始めた孝地。
しかし、里奈はすぐに呼び止める。
「一緒に行かないの?」
「…………」
里奈の問いに孝地はすぐに答えられなかった。
勿論、一緒に行きたい。
そして、みんなでダークナイトを倒しみんなで世界を救い、みんなで笑い、みんなで祝う。
そんな未来図を想像した。
しかし、今の自分が行ったところで足手まといになるのは百も承知。
だからこそ、あの紙を渡したのだ。
「ああ、俺は行かない。足手まといになるからな」
里奈に背中を向けたままそう返す孝地。
「そんなことないよ! 煉だって泰陽だってヒメも、きっと孝地を必要としてる! 勿論あたしも……あたし達は仲間でしょ?」
「…………ち」
小さく舌打ち。
悔しそうに拳をギュッと握り締める。
「隊長はまだ三人残ってる……でも今ヘリに向かった煉達とあたしを合わせてもまだ優勢とは言えない。だから……」
「ざっけんな!!」
「!?」
孝地の突然の怒号に里奈は驚いた。
最初のコメントを投稿しよう!