◆爆誕!!◆

23/27
前へ
/541ページ
次へ
「…………」 里奈は孝地の思いを黙って聞いていた。 すると、孝地は服の袖で涙を拭うと力強い笑みを浮かべた。 「だからさ……俺なりの戦いをさせてくれよ。お前らを笑顔で見送らせてくれよ。きっと別の形で役に立ってみせるから。潔く俺を置いて行ってくれ」 孝地がそう言うと、里奈は孝地のとこまで階段を降りて拳を突き出す。 「分かった。なら孝地の想いをあたしが持ってく。それならいいでしょ?」 「…………ありがとう、里奈」 孝地は自分の拳を里奈の拳にコツンとぶつける。 すると、里奈は両足に朱い炎を宿した。 「これでどんなに離れててもあたし達は一緒に戦ってるから。あの紙、絶対に手放さないからね」 そう言うと里奈は強化した脚力でジャンプし、階段を駆け上がっていく。 孝地はそれを笑顔で見送ると、両手で自分の頬を叩いた。 「さてと! まだまだやることがたんまりあるな、カヅチ!」 「うん! 俺らには俺らなりの戦い方!」 「ああ、見せてやろうぜ!」 孝地は勢いよく階段を降り始めた。 孝地も里奈もいなくなり、静まり返る階段。 その時、気絶している筈のジルの手の指がピクリと動いた。
/541ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3355人が本棚に入れています
本棚に追加