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「早く出して!!」
煉と里奈は飛び込むようにヘリに乗り込むと、美雪の執事の一人である運転手にそう叫んだ。
すると、ヘリは床から離れゆっくりと上昇していく。
しかし、針の迫るスピードの方が早く圧倒的に間に合わない!
「やっぱりあたしが降りて……」
「もう空中だっての!! 危ねぇよ!!」
飛び降りようとする里奈を泰陽が慌てて止める。
「ハッハハハ!! スクラップになりなぁ!!」
「やばい!!」
誰もが迫る針に串刺しにされる自分を想像した瞬間!
巨大な大木がホテルの屋上まで急成長し、その大木から無数のツルが針にまとわりつく。
「なに!?」
「待たせたな、煉!」
針の伸びる勢いは弱まり無事ヘリは上昇していく。
そして大木の頂上、生い茂る草木の上には草部の姿。
「草部!!」
「本当は一緒に行ってダークナイトをぶん殴りたかったが、仕方ねぇから譲ってやるよ! その代わりぜってーに倒せよ!!」
草部が親指を上に突き立てそう言ってくる。
煉も搭乗口から身を乗り出し笑顔で親指を上に突き立てた。
「ぜってーに倒してくるよ!!」
「ああ、男と男の約束だかんなぁ!!」
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