◆草部VSジル◆

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「へへっ」 「てめぇ……」 薄ら笑いを浮かべる草部をジルは睨んでいる。 針を全て元に戻したジルは鞭を構え今にも走り出してきそうだ。 草部も大木から屋上に飛び移ると柄が長いトンカチを構える。 「…………」 「…………」 二人共、微かな息の荒さから察している。 互いに体力が無いことを。 草部は煉との全力での戦闘で、ジルは度重なる戦闘と卯化の行使により疲れ切っている。 恐らく戦闘は長引かない。 両者共に長引かせる程の体力は無いからだ。 「おいおい、あんた大丈夫か? お疲れのようだけど?」 「そりゃこっちの台詞だ、ガキ。グロッキーなのは見え見えなんだよ」 互いの睨みがぶつかり見えない火花を散らす。 そして、草部の頭から頬にかけて一粒の汗が垂れていく。 その汗が顎に到達し、ぽとりと雫になって床に落ちた瞬間! 「おらあぁぁぁ!!」 トンカチを構えて草部が走り出す。 「てめぇは絶対に殺す! さっさと来なぁ!!」 ジルも迎え撃つ体制だ。
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