◆草部VSジル◆

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向かってくるジル。 しかし、草部は立ち向かおうとはせず、ジルに背を向けて走り出した。 「オイ、逃げんのかよ!!」 「んな訳ねぇだろ、ハゲ!!」 すると、草部は屋上にまで生やした大木の頂上に飛び移る。 当然ジルは立ち止まった。 相手の得意フィールドに飛び込まない為だ。 「やっぱり逃げてんじゃねぇか」 「俺もあんたも結構グロッキーだろ? だからよ……面白い決着の方法を考えたんだ」 疲れの為汗を垂らしながらも、そう言って草部は大木の端に移動し下を指差す。 「チキンレースと洒落込もうぜ?」 草部のその言葉にジルは驚いたような表情になる。 そして、その表情は段々と不適な笑みに変わっていく。 「成る程……てめぇ、なかなか男じゃないか。アタイにそんな条件出すなんて。いいぜ、乗ったァ!!」 ジルはまたもや走り出す! そして、あろうことか……屋上から思い切って飛び降りた! それに便乗するように草部も飛び降りる。 この16階建てのホテル、地上まではたったの80mしかない。 だからこそのチキンレース! 武器猫所持者なら属性具現を使えば着地は気にすることはない。 地上に降りるまでに決着をつけるのだが、先に地上を気にした方がそれが隙となりやられてしまう。 草部はそういう勝負へと持ち込んだのだ!
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