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内臓がふわりと持ち上がるような浮遊感。
同時に飛び降りた二人はすぐさま落下を始める。
「行くぜ!」
先手は草部!
左手をジルに向けると、大木に巻きついていたツルがジル目掛け槍のように伸びていく。
しかし、ジルはツルに目もくれず左手から針を伸ばした。
「うっ!?」
「くっ……ハハァ!!」
ジルの針が草部の脇腹に深々と突き刺さる。
草部のツルもジルの腹部に打撃を与えるが、この状況を楽しんでいるのかジルは笑っていた。
「くそったれ!!」
草部はトンカチで針を叩き割る。
その時の衝撃が傷口に伝わり激痛が走るが、そんなものを気にしている時間はない。
地上は着々と迫っているのだから。
「っらぁ!!」
ジルが荊のように生やした針の鞭を振ってきた。
草部はそれをトンカチで弾く。
「まだまだぁ!」
「くらってたまるか!」
間を空けることなく鞭は襲いかかってくるが、草部はなんとかトンカチで弾いていく。
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