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ジルは悔しそうに唇を噛んでいる。
ただでさえプライドの高い彼女のことだ。
今、彼女の頭の中には草部の言いなりになるかならないかの二択だろう。
つまり、それは助かりたいか助かりたくないかという選択だ。
そこには既に草部を倒すという思いが無い!
だからこそ草部はジルを凝視する。
ツルを伸ばせばそれに掴まろうとするだろう。
「て、てめぇ、もう死ぬぞ!! 早くしろ!!」
「へへ、早くしろ? 何を?」
「っ!?」
草部の余裕な態度にジルが驚いたような表情をした。
勿論草部も焦っている。
それこそジル以上に。
しかし、これはどちらが臆病者かを決める勝負。
焦りを押し殺した者が勝者だ!
「早くしろ、このクソが!!」
「あんたが早くしろよ! さもないと死ぬぜ?」
「チックショウがァ!!」
あえて死ぬという言葉を出した草部!
それにより更に焦りを感じ、ジルは下を向き左手を地上に向けた!
地上は後数メートル!
「そこだぁ!!」
下を向いたジル目掛けツルを伸ばした草部!
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